南青山の地で愛される、新潟発のイタリアン
DELISH KITCHEN 菅原千遥
2012年慶應義塾大学を卒業後、グリー株式会社に入社。2015年9月、株式会社エブリーを共同創業。レシピ動画メディア『DELISH KITCHEN』を立ち上げ、全レシピ管理栄養士監修のもと、「誰でも簡単においしく作れる」レシピをアプリ/web/SNS等に配信中。
渋谷から六本木へ向かう六本木通り沿い。青山学院中等部からほど近いその場所に、煌々と輝く「TRATTORIA」の黄色い看板を見たことがある人も多いのではないだろうか。ここは1998年開業のトラットリア。オーナーは上越の出身で、新潟で地盤を固めた後に満を持しての東京進出となったのが、この南青山の店舗である。その店構えから、カフェだと思っている人もいれば、逆に敷居の高い高級店だと思っている人もいる。
本日の客人、菅原千遥さんもそのひとりだ。若者に人気のレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を立ち上げ、料理は作るのも食べるのも好きという彼女は、 これまで幾度となく「TRATTORIA」の縦看板を見上げてきた。
「この道はよく通るので気になっていて、通るたびにいつか行きたいなと思っていたんです。昔からある店だから、きっと流行っているんだろうなと。もっとカチッとした雰囲気だと思っていましたが、とても入りやすいですね。かしこまり過ぎていないからカジュアル使いもできるし、かといってカジュアル過ぎもしないからきちんとした時でも使えそう。それから私はお酒を飲むのが好きですが、昼から罪悪感を感じることなくワインを飲んでもいいよっていう雰囲気が漂っているのは嬉しいですね(笑)」
居心地の良さも実感したところで、運ばれて来たのは見た目もそそる2つの料理。総料理長、こちらの料理は何ですか?「本日は新潟の旬を味わっていただくということで、 2つのお魚料理をご用意しました。糸魚川(いといがわ)市に海洋高校という水産高校がありますが、1皿目はその生徒たちが養殖した寒鮃(かんびらめ)を使ったカルパッチョです。それに上越市のたなか農園から送られてきたアスパラ菜を添えて。2皿目も同じ糸魚川市の能生(のう)漁港から直送された真鱈を使い、真鱈と新潟野菜のヴァポーレにしています」
幼少期は村上で過ごした菅原さん。糸魚川に馴染みはないが、村上には祖父母や親戚が残っているため、新潟の食には今でも興味津々。「カルパッチョはいろいろなお野菜が入っていて鮮やかですね。下に敷かれたアスパラ菜のペーストは初めて食べましたが、アスパラ菜の風味や香りが立っていてこれは美味しい!しかも余計な塩分もなくシンプルな味付けなので、寒鮃と野菜の味が生きているのがいいですね。真鱈の方はサフランクリームということですが、重すぎず、クドくなくてちょうどいい。ポロネギもロマネスコも力強い味がして、食べ応えがありますね」
ここで総料理長から「女性には、店で作る出来立てのモッツアレラも人気なんですよ」という話が。よくよく聞くと、どうやら菅原さんが以前テレビで観て気になっていたチーズ工房が、神宮前の系列店だったということが判明。「あのチーズ、すごく美味しそうだったんです!今日は品切れでいただけないということですが、これでまた1つここに来る 楽しみが増えました。職場も近いですし、今度はワインと一緒に堪能させていただきますね」