にいがた和牛

肉の旨味や脂の質にこだわり、コクとまろやかな味が自慢の「にいがた和牛」。その中でも村上市・関川村・胎内市で肥育された特に秀でたものを「にいがた和牛 村上牛」、新発田市で肥育されたものを「にいがた和牛 新発田牛」と認定しています。

名誉賞を獲得した自慢の和牛

きめ細かいサシ(霜降り)が入った、美しいピンク色の肉質。心地よく鼻に抜ける旨みと、コクのある甘み。“肉好き”ならぜひ味わっていただきたいのが、「にいがた和牛」である。

新潟県内産黒毛和牛の銘柄「にいがた和牛」は2003(平成15)年に誕生。ブランドを支える組織として「にいがた和牛推進協議会」が設立され、以下の4要件を定めて肥育が進められている。

  1. 黒毛和種の去勢牛又は、未経産牛であり血統が明確であるもの。
  2. 新潟県内で肥育され最長飼養地が新潟県内であるもの。
  3. 枝肉格付等級が「A」または「B」の3等級以上のもの。
  4. 家畜個体識別システムにより、生産から出荷までの移動履歴の確認が出来るもの。

これを満たした牛肉のみが産地証明書を発行され、流通する。全国の共励会でも名誉賞を2度受賞するなど、その品質の高さはお墨付きである。

愛情を注ぎ、牛と向き合う

新潟県中央部に位置する豊かな穀倉地帯・長岡市中之島。そこに、にいがた和牛推進協議会が認定した「肥育名人(11名)」の一人、田口正一さんを訪ねた。食用肉の格付けでトップランクを数多く獲得する、優れた生産者である。

「新潟の素晴らしい牛肉をぜひ召し上がって」と田口正一さん

25歳の時、本格的に牛の肥育をはじめた田口さんは45年のキャリア。20頭から始めた肥育も今や110頭に増え、稲作と併せて1年を通し、忙しい日々を送っている。

田口さんは生後約10か月の優良な仔牛を選んで買い付け、その後20か月にわたり肥育を行う。生育環境の理想は「ノンストレス」。そのため牛舎の床や飼槽はこまめに清掃して清潔に保ち、病気の予防を図りながら居心地の良さに努める。食餌は牛たちの健康と成長を考え、自家製の稲わらや品質の高い濃厚飼料を与える。

「つまりは1頭1頭の健康状態を丁寧に見るという、基本が大事」と田口さん。

先を争うように、田口さんにブラッシングを催促する牛たちをなだめながら、「やっぱり愛情をかけないと、良い牛には育たないね」と目を細めた。